今回は札幌市内で行った屋上防水工事についてご紹介します。

北海道は一年を通して気温差が大きく、特に屋上は夏の日差し・冬の積雪・凍結と融解の繰り返しでダメージを受けやすい場所です。

そのため、定期的な防水メンテナンスは建物全体の寿命を守るために欠かせません。

今回の現場では、屋上表面の保護機能が弱まっていたため、トップコート（仕上げ保護塗料）の塗り替えを行いました。

■ 「トップコート」とは？

屋上やベランダの防水工事では、防水層のいちばん上に “保護のための塗膜（うすい膜）” をつくります。

この仕上げの塗料を トップコート と呼びます。

防水層そのものは雨水を通さない役割がありますが、紫外線には弱く、放っておくと劣化してしまいます。

そこで、

トップコート＝防水層を守るためのフタ

と考えていただくと分かりやすいと思います。

トップコートが劣化すると、

・表面が白っぽく粉を吹く

・色が抜ける

・水がたまりやすくなる

などの症状が出て、防水層の寿命が短くなります。

今回の工事は、この“防水層のフタの部分”を塗り直し、屋上全体の防水性能を回復させる内容となっています。

■ 施工前の状態（防水トップの劣化が進んでいる屋上）

最初の写真が、施工前の屋上の状態です。

防水面全体に表面の色褪せが広がっており、ところどころ白く粉を吹いたように見える箇所が確認できます。

これは、トップコートが紫外線によって分解され、防水層の保護機能が弱まっているサインです。

また、防水層の継ぎ目部分が乾燥して割れ気味になっている箇所もあり、放置すると雨水が侵入する可能性も出てきます。

職人が現場に入り、屋上全体を隅々まで点検したところ、

・トップコートの劣化

・防水層の保護不足

・防水材の表面が乾き切っている状態

と判断できました。

今回は既存防水を生かしながら、上からトップコートを塗布して防水性と耐候性を回復させる工法を採用しました。

■ 施工中①（立ち上がり部の塗布作業）

屋上で最も劣化が出やすいのが、この「立ち上がり」と呼ばれる垂直面です。

雨水が当たりやすく、日光もダイレクトに受けるため、表面の保護が弱まりがちです。

職人はまず、隅や段差が多い立ち上がり部から丁寧に塗り進めていきます。

細かい部分は小さめのローラーを使ってしっかり塗膜をつくり、塗り残しが出ないよう作業を進めます。

写真でも、既に塗布した部分とこれから塗る部分の色の違いがはっきりしており、施工が着実に進んでいるのが確認できます。

■ 施工中②（立ち上がり〜平場へ広げる工程）

別角度の施工中写真では、平場に向けてローラーを大きく動かしながら塗布している様子が写っています。

トップコートは均一に塗ることが大切で、厚みが不足すると保護性能が弱く、逆に厚すぎるとムラが発生します。

職人はローラーの動かし方や塗り重ねの方向を調整しながら、全体が滑らかになるよう丁寧に作業しています。

排水口まわりもとても重要な部分で、ここは特に慎重に仕上げていきます。

■ 施工中③（平場全体を仕上げる工程）

3枚目の施工中写真では、屋上の広い平場部分が仕上がっていく様子が確認できます。

防水面の広い部分は、ローラーを長いストロークで動かしながら均一に仕上げていく必要があります。

写真からも、塗った部分がしっとりと落ち着いた質感になり、防水膜が整っているのが見て取れます。

今回の現場は既存防水の状態が良く、下地の吸い込みが安定していたため、トップコートがきれいに広がりやすい環境でした。

■ 施工後（屋上全体が保護され、耐久性が回復）

施工後の写真がこちらです。

施工前には白く乾いて見えた屋上が、均一なグレーで整い、防水層がしっかり保護された状態に復活しました。

日差しを受けてもムラのない質感で、防水機能がしっかり戻っていることがわかります。

立ち上がり、端部、排水口など、劣化が出やすい部分も丁寧に仕上がっており、安心して使用できる屋上になりました。

■ 今回の工事で改善されたポイント

• 表面の保護膜が復活し、防水層が長持ちする

• 紫外線や雨・雪による劣化を大幅に抑制

• 美観が整い、屋上全体が明るく見える

• 雨漏れリスクの低減

• 適切な膜厚が確保され、耐久性が向上

定期的にメンテナンスを行うことで、屋上は建物全体を守る力を維持できます。

■ 札幌市で屋上防水工事をご検討の方へ

札幌市は凍結と融解の繰り返しが多く、防水層への負担が非常に大きい地域です。

次のような症状が出たら、トップコートの塗り替え時期です。

• 表面の色褪せ

• 白っぽい粉が出る

• ひび割れ

• 水たまりができやすい

• 以前より汚れが落ちにくい

早めのメンテナンスが、防水層の長寿命化につながります。

調査・点検だけでもお気軽にご相談ください。