「溶剤」でも「水性」でもない『弱溶剤』塗料とは?

塗料の種類では「溶剤形塗料」と「水性塗料」をよく耳にします。それ以外にも塗装工事の際に注目されているのが「弱溶剤」塗料です。弱溶剤塗料とは一体何なのでしょうか?

今回は「弱溶剤塗料」についてお話しします。

●塗料の希釈(薄め)

塗料はそのままでは使うことができず、必ず何かで希釈(薄め)されます。シンナーで希釈するものは「溶剤形塗料」と呼ばれ、水で薄めるものは「水性塗料」と呼ばれます。そして、溶剤形塗料の中でも、塗料用シンナーという弱いシンナーで希釈されたものを「弱溶剤塗料」と呼びます。

●弱溶剤塗料の特徴

強溶剤塗料と比べるとシンナーの強さは控えめですが、その分臭いも少なく、安全性が高いのが特徴です。性能や機能性はやや劣るかもしれませんが、その分使い勝手がよく、手軽に扱える塗料と言えます。

●性能と使い勝手のバランス

弱溶剤系塗料は、水性系塗料と溶剤系塗料の間にあたります。強溶剤系と比較すると機能性は多少落ちますが、臭いが少なく、安全性が高いというメリットがあります。また、水性系塗料と比べると耐久性・耐候性に優れています。

●使い分けのヒント

弱溶剤塗料は、特に外壁や屋根塗装で耐久性を求める際に適しています。「ニオイがするのは嫌だけど、耐久性も欲しい。」という場合には、弱溶剤系塗料を選択するのが良いでしょう。塗膜の強度が水性塗料に比べて高く、臭いが強溶剤よりも遥かに弱いため、戸建住宅の塗装でも安心して使用できます。

特に、金属や樹脂系への塗装には弱溶剤塗料が適しています。弱溶剤塗料は、素材に合わせて使い分けることで、優れた耐久性と安全性を実現します。