塗装工事において、塗料の艶(ツヤ)や光沢は仕上がりの外観に大きな影響を与える重要な要素です。「全艶」とは、光沢度が70%以上の塗料を指し、最も光沢のあるタイプの塗料となります。一般的に多くの塗料は艶ありベースで作られており、艶消し剤を加えることで光沢を調整していきます。
全艶塗料の大きな特徴は、その高い光の反射率です。ピカピカとした新築のような外観を作り出すことができ、特に新築時の美しさを再現したい場合に適しています。さらに、全艶塗料は表面がツルツルしているため、汚れが付きにくくなります。また、艶消し材が配合されていないため、耐候性や耐久性も高いというメリットがあります。これにより、塗装面が長期間美しい状態を保ちやすくなります。
ただし、全艶塗料にもデメリットがあります。経年により、2~3年ほどで艶が徐々に消えてしまうことがあり、艶を保ちたい場合には定期的なメンテナンスが必要となります。また、光の反射が強いため、周囲の住宅と調和が取りにくい場合があります。特にギラギラと反射するため、落ち着いた雰囲気を求める場所には不向きかもしれません。
塗料の光沢度は、「艶消し」から「全艶」まで幅広く存在します。以下に、各光沢度の特徴を簡単にまとめます。
艶消し:
艶がなく、マット仕上げと言われることもあります。新築時の外壁の多くがこのタイプです。
3分艶:
艶消しに少しツヤを加えた状態です。控えめなピカピカ感を出したい場合におすすめです。
5分艶:
半艶とも呼ばれ、中間的な艶の度合いです。
7分艶:
艶があり、汚れにくく耐久性もあるため人気があります。
艶あり(全艶):
光沢度が70%以上の状態で、非常に光沢がありツヤツヤした印象を与えます。
全艶とはどんな塗料なのかお分かりいただけたでしょうか。塗料を選ぶ際は、特徴を考慮し、周囲の環境にも適した光沢度を選ぶことが大切です。全艶塗料の美しさを最大限に活かし、長期間維持するためには、適切なメンテナンスも頭に入れておきましょう。